旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

腐葉土の小さなミズアブ

なんだかツイッターに写真貼って呟いてたら、
ブログ用のネタがないぞよ。む~

で飼育ネタなぞをば。

2月にササラダニ用に持ち帰っていた腐葉土
ササラダニの他にもいろいろいたので、保管していた。

その中から先週、一匹の虫が羽化してきた。

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全長5mmほどの小型のミズアブの1種。

見やすく成型したものをもう1枚。

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キバラトゲナシミズアブ Allognosta japonica


以前、拙ブログで紹介したミズアブの1種Beris hirotsuiでは、
小盾板にニョキニョキとトゲが生えていたが、
本種ではトゲを持たない。
(該当記事→「腐葉土のうじむし - 旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

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その他の特徴は、複眼に毛が生えないこと、腹部の中央が黄色いこと、など。


キバラトゲナシミズアブ♂交尾器

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腹面から


本属の論文「The Japanese Actina and Allognosta」(ネット上で閲覧可能)にある交尾器の図と一致した。

なので近似種がいようが、未記載種がいようが、
これに決定。


オマケ 羽化後の囲蛹殼。

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囲蛹とは、蛹化の型式のひとつで、
終齢幼虫の皮膚が硬く殻状になり、
脱皮せずに内部で蛹になることで、
ハエやアブに見られる習性である。

だから囲蛹殼は蛹だけれど、幼虫の特徴がそのまま残されている。

キバラトゲナシミズアブの幼虫は以前見たBeris hirotsuiと比べると、体表の毛が少ないようだ。
微妙な差だけどもね。

ではまた。