「ふたお」か「みつの」か?・・・フタオクロバエ
2月最後の日曜日。
まあまあの天気に恵まれ、
ふもとのわずかな平地では、
オオイヌノフグリやらフラサバソウが咲きだした。
上;オオイヌノフグリ
下;フラサバソウ
しかし、まだ飛んでいるのはハエばかりである。
なんとな~くそのハエを捕まえて帰った。
オオクロバエの小型個体かなぁと思っていたそれは、実体顕微鏡で覗いてみると、全然別物であった。
フタオクロバエ Triceratopyga calliphoroides
ちなみにオオクロバエの胸部前気門は橙色で、
覆弁(calypter;鱗弁とも言う)は黒褐色。
違いは交尾器の構造に顕著に表れる。
普段は腹端部に収まっている交尾器を引き出すと、
上雄板(第2生殖背板)にツノが生えている。
交尾器をチョイ斜めから見ると、
上部に二股に分かれたツノがあり、
和名の「フタオ」はここから来たのだろう。
ただすぐ下にも小さなツノがあり、合計で3本ある。
だからなのか学名の方には3本ツノを意味する
Triceratopygaが使われている。
(Tri=3、cera=ツノ)
Triceratopygaでググると、おせっかいのGoogleさんは
「もしかして、"Tricetatops"?」と聞いてくる。
恐竜なんか調べてません、ウザイ。
別に私は「フタオ」が正しくないと言っているのではない。
上から見ると、
ちゃんと「双尾」クロバエである。
こんな変なしっぽのあるクロバエは見たこと無かったが、
本を見ると、3・4月の早春に公園や平地の雑木林で普通に見られ、
ゴミや犬の糞で発生するそうだ。
クロバエ類なんかはいつも見るだけで、採集までしていなかったので、判らなかっただけのようだ。
なんでもちゃんと見んといけませんな。
ではまた。