1.2mmのお殿様
相変わらず寒いです。
お散歩コースのアラカシの新芽には、キリガ類の卵が見られるようになった。
色が黄色いのは、産み付けられて2日と経っていない卵のはず。
色の濃い卵とたぶん同種の卵だと思う。
昨年も見つけて、お持ち帰りしたのだが、展葉前に孵化してしまい、死なせてしまったので、しばらく放置。
と言うわけで、ダニ月間に戻ります。
腐葉土から1匹だけ見つけたダニ。
普段見ているダニより、ひとまわり大きい。
この、りっぱな体格から付けられたであろう名前。
トノサマダニ属の1種。Perlohmannia sp.
体長1.2mm
他のダニよりいくら大きいと言っても、
さすがに、「殿様」は名前負け感が否めない。
トノサマダニ属の腹面
何か変なのが、くっついている。
別の種類のダニのヒポプスらしい。
2010年2月22日追記
このヒポプスについては、くろあり氏のブログ
「害虫屋の雑記帳」に詳しいので、
興味ある方はどうぞ。
記事はコチラ
以下は「日本産土壌動物」からトノサマダニに関する部分を抜粋。
トノサマダニ科Perlohmannidae
体長1.0~1.5mm。ササラダニ類中、もっとも大型の部類に属する。
体は丸めることができない。
前体部は三角形に尖り、後体部は大きな長卵形。
普通は生殖門板に横溝がある。
後体部には横溝や突出部はなく、脱皮殻も背負わない。
暗色の油腺は見えない。
生殖門と肛門は接近する。
第1脚末節の腹側には多数の毛が生える。
胴感杯(Bo:bothridium)から生ずる胴感毛(Sen:sensillus)には枝毛がある。
性側板(AG:adgenital plates)と肛側板(AD:adanal plates)は分離する。(融合しない。)
日本には2属2種を産する。
トノサマダニ属Perlohmannia
脚の爪は1本。後体部の膨らみは弱く、両側はほぼ平行。
日本にはトノサマダニPerlohmannia coiffaiti が北海道、本州、九州から記録されているが、多くない。
注*現在では、少なくとも日本産2種以上いる模様。
と言うことで、画像は属どまりでの紹介にとどめます。
キョジンダニ属Apolohmannia
脚の爪は3本。第1脚末節腹側には毛が密生し、ブラシ状。
日本に1種、キョジンダニApolohmannia gigantea が北海道、本州、九州に分布し、ブナ林で見つかることが多い。
トノサマダニより立派なダニを見つけてしまった~~
ドウシヨウ。で
「巨人」名付けられたと思われる。
どちらも見つけると、ウレシくなってしまう名前である。
専門家によると、トノサマダニ科は、環境が良く保存された林にしかいない指標種であるそうだ。
確かに、腐葉土なんかの狭い隙間で生活するには、体の大型化は不便であろうから、それが生きている環境は良い。と言うことなのであろう。
そうか、うちのお散歩コースは良い環境なのか。
ウシシ