厄介者のチヂミザサと字書き虫
11月に入ると、急に寒くなった。
いつものお散歩コースも静かなものである。
秋になると困る、と言うかウットーシイものは、いわゆる「ひっつき虫」だ。
ここいらで最強にウットーシイのは、チヂミザサの実である。
これはトゲでくっつくタイプではなく、
ベタベタした粘液でくっついてくるタイプだ。
足下はこうなってしまう。
しかもナカナカ取れない。
花はマァ、美しい、と思う。
と言っても、イネ科なので、花びらはない。雌しべの色である。
で、チヂミザサだらけになったズボンを見て、ドンヨリしながら脇を見ると、白く色の抜けたチヂミザサの葉っぱが目に止まった。
「字書き虫」とか、「絵描き虫」などと俗に言われる虫に、葉肉を食べられた葉っぱである。
一口に字書き虫と言っても、その仲間は多岐にわたる。
ハモグリバエやハナバエ、タマバエなどの双翅目、
一部のハバチ(膜翅目)、
チビタマムシ(鞘翅目)、
あと、ハモグリガやホソガなどの鱗翅目がそうである。
で、このチヂミザサに潜り込んでいるのはと言うと、
蛾の仲間。名前は、そのものズバリの
チヂミザサクサモグリガ Elachista kurokoi
(クサモグリガ科)である。
葉っぱを透かしてみると、
幼虫が見えた。
幼虫の拡大(腹面)。
体長約5.5mm
薄い葉っぱの表皮を残して、間の葉肉だけを食べていけるように、頭部は扁平だ。
いっちょまえに、胸脚3対、腹脚4対、尾脚1対とパーツがすべて揃っている。
腹脚の鈎爪は、単列横帯である。
外で生活するいもむしと違って、
葉っぱを挟む必要がないし、
前後に動くだけなので、
不便はなさそうである。
葉っぱを食べている所を、動画に撮ってみた。
口をモグモグさせているだけですが、味のある方はクリックを。
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