旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

うんち飛ばし器・・・・・プライヤハマキの尾叉(びさ)

ハンドルネームのAclerisでググると、
拙ブログがトップだった。。。。。。。。


Aclerisというのは、ハマキガ科に含まれるひとつの属の名前であるが、拙ブログでは、1種類しか紹介していない。
これでは、Acleris属を検索して訪れて来た方が、気の毒である?

と言うわけで、この春飼育していたAclerisを紹介。

プライヤハマキ Acleris affinatana 幼虫

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この幼虫は、3月に採集した母蛾から採卵したものなので確実である。
プライヤハマキは成虫で越冬し、春、コナラ等に産卵する。

そこで、コナラの実生苗を持ち帰ってミニ鉢植えを作り、一緒に虫かごに入れておいた。

8日後。産卵確認。

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扁平な卵の卵塊として産卵される。

孵化後は、葉っぱを思い思いに綴りあわせて、成長する。
ハマキガ類は葉っぱの巣が萎びると、巣を棄てて新たに別の葉に移って巣を設ける。飼育の際は、巣が萎びたり、カビたりしないように注意しないと、頻繁に巣を作り直して、消耗してしまう。


ズボラ飼育する場合は、飼育容器に入るチイサナ実生苗を使うか、屋外で袋掛け飼育すると良いと思う。

ところで、こういう巣を作るハマキガやメイガの仲間のおしりには、おもしろい仕組みがある。

幼虫を数匹、液侵標本にしたのだが、これをおしりから見ると、櫛歯状の突起がある。

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これは、尾叉(びさ、Anal forkまたはAnal comb)と言って、普段は体内に畳まれている。
で、うんちをするときにピンッと弾いてうんちを遠くに飛ばす。
そのための器官だ。

これは遊びで飛ばしているのではない。
寄生蜂対策である。

蜂は寄主であるいもむしなどを探索する際、糞やかじられた葉からでる匂いを目印にするそうだ。
移動しながら葉っぱを食べるいもむしは良いとして、巣を構えて生活するハマキムシは、うんちは近くに落とさず、遠くに捨てようと言う寸法である。


いもむしを観察していて、あんまり近くで覗き込みすぎると、思わぬ目潰し攻撃を受けるかも?