旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

真っ直ぐな口・・・・・ヒロバカゲロウ科の幼虫

私のお散歩コースも、陽当たりの良いところではフラサバソウの開花がはじまった。♪( ̄▽ ̄)ノ″

何回か書いたとは思いますが、私のお散歩コースには水場がほとんど無い。
風化花こう岩でできた六甲山系のため、水という水は地下に滲み込んでいってしまう。

それでも水深2cm、幅30cm程度の細流がある。
途中で地下にもぐって伏流水になってしまうのだが、一年中渇れるこなく流れている部分がある。

水温むとまでは行っていないが、水に浸った石をめくってみると、石の裏面に変な幼虫がくっついていた。

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おしりの先には肉質の突起が2本、伸び縮みしており、足のように使って歩行する。歩き出すとなかなか素早い。

結論から言うと、ヒロバカゲロウ科Osmylidae の幼虫である。
アミメカゲロウ目Neuroptera に属する。

口のところに、まっすぐな角?が生えている。

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大顎(おおあご)と小顎(こあご)が接着して管を形成して、餌の体液等を吸い取るそうである。
これを吸収顎(きゅうしゅうがく)と呼ぶそうだ。
よく見ると、付け根の方が2本で構成されているように見える。。。気がする。

アミメカゲロウ目には他にウスバカゲロウ科やヒメカゲロウ科があるが、これらの幼虫も同じ吸収顎を持っているが、これらの幼虫の顎の先端は曲がっており、獲物をガッチリ掴む構造になっている。
それに比べてヒロバカゲロウ科の真っ直ぐな顎は如何にも使い勝手が悪そうだ。この顎をどういった使い方で獲物を捕まえているのか?
幼虫がいた石には、トビケラ類の筒巣もくっついていたので、ひょっとしたら、筒の中に隠れているトビケラの幼虫を「ぶっすぅぅ~」とやっているのかもネ。

真っ直ぐな吸収顎を持つものには他に、ミズカゲロウ科Sisyridaeなどがいる。幼虫の触角が吸収顎より長いところが、ヒロバカゲロウと違う点だ。
お散歩コースでは未見である。
くろあり氏のぶろぐで見られます。

blog.goo.ne.jp




さて、このヒロバカゲロウの幼虫の種類はなにかと思って手持ちの図鑑を当たったが、日本産11種のうち、飼育によって成虫と幼虫が対応づけられている種類は、キマダラヒロバカゲロウの1種類のみ。
他には幼虫のみで記録されたものが1種。
などという状況らしいので、詳しい種類は判らなかった。


ただ、私がこれまでにお散歩コースで見掛けたことのあるヒロバカゲロウ科の成虫は2種。

ヤマトヒロバカゲロウSpilosmylus tuberculatus

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前翅後縁中央あたりの褐色の嚢状物が特徴。

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拡大すると半球状に盛り上がっているのがわかる。


カスリヒロバカゲロウSpilosmylus nipponensis

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腹端部の形状が「日本産水生昆虫」の図と一致している。

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なので、今回の幼虫はいずれかの幼虫かも知れません。
確かなことは判りませんよ。

ではまた