旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

ハジマヨトウの幼虫は放浪するのか?

 夜中に雨が降ったと見えて、日曜日のお散歩コースはそこらの草にしずくが残っていた。


普通は夜間に脱皮するフキバッタが雨でタイミングがずれたのか、昼前にやっと皮を脱ぎ終えていた。

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オマガリフキバッタParapodisma tanbaensis


足元が濡れるのがたまにきずだが、雨上がりと言うのは普段と違ったものが拝めるので結構いいものである。

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などと思いつつテケテケと歩いていると、直径6mmほどのササの茎からうんちが噴き出ているのが目にとまった。

「オヤオヤ、誰でしょう?」と茎を裂いてみれば、いもむしが、ころりんと出てきた。

なかなか特徴のある模様だ。こんなところに潜り込むのはメイガとかハマキガなどの小蛾と相場が決まっている。

であれば、もう蛹になってもよい大きさなので持ち帰ることにした。

この日は別のササでも同じような穴をいくつか見ることができた。


その中の一匹はササに噛りついて今潜り込もうとしている最中だった。

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ここで「あり?なんでワザワザ危険を犯して住みかを変える必要がある?」と思い至る。








ひょっとして小蛾じゃない?
ちいさな「?」を抱えつつ帰ったのでした。

さて、小蛾の幼虫とヤガ科などの大型蛾類の若齢幼虫の区別は腹脚の鉤爪を拡大してみるのが分かりやすい。(拙アルバム参照)アルバム編集中です、すいません

持ち帰ったくだんのいもむしくん、拡大してみた。
鉤爪は単列の半環状。
ありゃ~、小蛾類じゃないや。
と言うことは、形は普通のいもむしなので、ヤガ科あたりの幼虫らしい。
ここに至って手持ちの図鑑を見ると、そっくりな模様のいもむしが載っていた。
ハジマヨトウBambusiphila vulgarisである。
タケノコに潜り込んで中を食い荒らす害虫として知られている。
それは聞いたことがあるが、こんな細いササにもつくものとは知らなんだ。
よく考えてみれば、タケノコは成長がメチャクチャ早い。
食べやすくオイシイ時期はすぐ過ぎてしまう。
チッコイ小蛾類ならいざしらず、4cmあまりの丸々太ったいもむしになるハジマヨトウにとっては細いササではとても足りないだろう。
と言うことで昼間ササを齧っていたあのいもむしくんは、移動の最中だったのだろう。
普段は夜間に移動するのだろうが、雨のせいで昼間にずれこんだのだと思う。


青竹にあいた2~3mmの小さな穴。
よく見かけるのだが、犯人はどうもこいつらしい。

ぶっといタケノコならいざ知らず、細いものしかないときは、伸びかけたタケノコなどに食い入っては、おいしいとこだけ食べて次々移動していく生活を送っているようだ。


あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~!
しばらく前、コガシラコバネナガカメムシを調べている甲虫の師匠から、「青竹にあいた、2・3mmの穴って、ハジマヨトウ?」とか聞かれて、
「あんなでっかい蛾が、そんな小さい穴から出られるわけないやん!なんか別の虫やろ。」
と言ってしまっていた。_| ̄|○
ゴメンナサイ。前言撤回します。


そういえばこの間、コガシラコバネナガカメムシ、お散歩コースにいたなぁ。

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このカメムシくん、青竹にあいた穴から中に潜り込んで、卵を産んで育てるという変わった生活をするヤツだ。
誰かが穴をあけてくれないと繁殖できないなんて、アブナイ生活様式ですね。

甲虫の師匠のくろあり氏は、「害虫屋の雑記帳」というブログを運営されてます。
(甲虫屋なのに、HNがくろありで、カメムシ調べてる・・・・?)
私と一緒で、はじっこの生き物が好きな方です。
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