旧「いもむしうんちは雨の音」置き場

ブロガリサービス終了にともない、「いもむしうんちは雨の音」をこちらに保存しました。

ダニより小さなカブトムシ

 暖かい日曜日。

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いつものお散歩コースでは、この間芽を吹いたばかりと思っていたフラサバソウがもう開花していた。

いろんな生き物がワッと出てきて気ばかりあせる春はもうすぐそこである。
(サムイトコロノミナサマ、ウカレテゴメンナサイ)


ただしブログの方は腐葉土むしシリーズが続く。

今回は一応昆虫。

標題のカブトムシと言うのは、ひとつの種類としてのカブトムシではなく、目レベルの話。
鞘翅目(カブトムシ目)のことである。
環境庁の発行した「日本産野生生物目録」辺りからだと思うが、できるだけ簡便な表現にしようと言うコンセプトのもと、鞘翅目はカブトムシ目、鱗翅目はチョウ目、双翅目はハエ目などと表記されるようになった。
(追記:私の勘違いでカブトムシ目じゃなくコウチュウ目でしたね。)
なんだかかえって判りにくくなったような気がするのは私だけ?

話が脱線してしまったが、ダニより小さいのはカブトムシではなく、
カブトムシ目の一種、ムクゲキノコムシ科の仲間たち。

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Ptenidium sp.
保育社の甲虫図鑑2巻のムクゲキノコムシ科の検索表をたどると属に行き着いた。
Ptenidium属の特徴を列記すると、
・腹部は完全に上翅で覆われる
・頭部は常形
・上翅は中央前に最大幅がある
など

この図鑑には名前だけで図はなかったので、ネット上を検索してみるとコゲチャナガムクゲキノコムシP.japonicumと言うのがいるみたいだが、近縁種もいて、再検討を要するグループみたいなので、ここではPtenidium属の1種にしておきます。

オフザケで、ちょっとこの間紹介したザラタマゴダニと並べて撮影してみた。

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体長は0.7mm。
1mmもない体でもちゃんと頭部、胸部、腹部に分かれており、触角も備えている。鞘翅(さやばね)もあり、立派にカブトムシ目である。



大きな虫と違うところは、うしろバネ。
膜状の翅はなく、羽毛状になっている。

下の写真は同じムクゲキノコムシ科のAcrotrichis sp.

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蛾でもそうだが、小型の虫ほど、羽毛状の翅を持つ傾向がある。

どこかで聞いた話だが、空気というのは対象が小さくなればなるほど粘性が高くなるそうである。
そのため、わざわざ膜にしなくても充分に空気をはらむことが出来るようだ。

大昔から省資源化を実践してるなんて、エコの鏡みたいな虫ですね。